信用創造の額について

大西つねきの週刊動画コラムvol.7_   2017.12.25

         お金の発行のしくみ
https://www.youtube.com/watch?v=WrKgQu4gUjQ 

 

Bが 100万円をM銀行に預けたとき、

日銀当座預金の準備率を1%とすると、

M銀行は 1万円(100万×0.01=1万)を日銀に当座預金として預け、

99万円(100万ー1万)を Cに融資することができる。

こうして、市中には 流通するお金は199万円となる。

以下、同じようにして、       ↑  100万+99万

Cは M銀行から融資された99万円を L銀行に送金すると、

L銀行は 日銀に当座預金9900円(99万×0.01=9900円)を預け、

Dに 980100円(99万ー9900=980100円)を融資することができる。

 

以下、同様にして、

M銀行に預金された100万円で、市中に流通させられるお金の

額はいくらか?

つまり、いくらの額が信用創造されえるか?

――大西つねき氏は これを 100万÷0.01=1億円 と計算した。

                ↑

               100万   

                           0.01

 

        ★    ★    ★     ★    ★

 

なぜ、こういう計算が成り立つか? を調べてみる。

 

今   X円をM銀行に預けたとし、当座預金準備率をa%とすると、

           https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/reservereq/junbi.htm/

M銀行は 日銀に当座預金 X×0.0a円を預け、X(1-0.0a)円を

融資できる。

この融資時点では 市中のお金は、

  X+X(1-0.0a) 円

となっている。

さらに、X(1-0.0a)円を M銀行から送金されたL銀行は、

日銀に 当座預金 X(1-0.0a)×0.0a円を預けて、

   X(1-0.0a)^2 円

   ※ X(1-0.0a)ーX(1-0.0a)×0.0a=X(1-0.0a)×(1-0.0a) 

を他に融資でき、この時 市中には

  X+X(1-0.0a)+X(1-0.0a)^2 円

のお金が流通していることになる。

 

以下、同様にして

   X+X(1-0.0a)+X(1-0.0a)^2+X(1-0.0a)^3

   ・・・+X(1-0.0a)^n-1

これが n番目の銀行が融資したのちに 市中に流通するお金の額である。

 

  この等比級数を計算すると、

  X-X(1-0.0a)^n 

      0.0a

 となり、n →  で、 (1-0.0a)^n → 0 だから、

 

  X-X(1-0.0a)^n  →   X  

      0.0a            0.0a

となるのである。

 

   

https://www.youtube.com/watch?v=MQJQUlPsaYA 

 

 

 

 

ドイツ銀行大リストラ、いまどきの「銀行と金融」の致命的弱点

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66577    小出 フィッシャー 美奈

   2019 8.19

7月初旬、経営再建の途中にあるドイツ銀行が、投資銀行部門を中心とした1万8000人という大規模なリストラを発表した。かつては「欧州最強」とうたわれ、リスクをとることに慎重だった名門銀行は、いかに変節し、この大きな転換点を迎えたのか。

「ふつうの銀行」に戻るため、1万8000人リストラ

あなたが働くオフィスで、ある朝、2割の同僚が突然解雇を言い渡される場面を想像していただきたい。

ドイツ銀行がフルタイム従業員の2割超に相当する1万8000人の解雇を発表した先月初め、ロンドン でも ニューヨーク でも香港でも、にわかに解雇を告げられた人々が慌ただしく同僚に別れを告げ、次々とオフィスを後にした。

ドアから出てくる人の中には、離職手当の書類が入った封筒を片手に誰かに携帯で連絡する人や、鉢植えを大事そうに持ち帰る人の姿も見られた。

筆者は外資系金融機関に勤めたことがあり、過去に同様の光景を幾度か目にしている。今でもこうしたニュースに接するとチクリとした 痛みが胸を刺す。

ドイツ銀行はこのリストラで、「投資銀行」業務を大幅に縮小し、 本来の金融事業への回帰を目指すという。なぜ今、「ふつうの銀行」に戻ろうとしているのか

 

まず「ふつうの銀行」と「投資銀行」の 違いは何か。その本質的な違いはリスクに対する姿勢だ。

ふつうの銀行」、すなわち商業銀行(コマーシャルバンク)の業務は、預金や送金、融資・貸付などである。

あなたが銀行に預金すると、銀行はそれを第三者に貸し付けたり債券などで運用し、その利回りと支払い利息の差(預貸利ざや)を稼ぐ。

もともと預金者のお金ではあるが、銀行は利子を払ってそのお金を 調達している。

バランスシートの負債として自行の帳簿に載せ、いわば「自分のマネー」として自分でリスクを取って第三者に貸し出したり投資をしているのだ。

このため、まず預金残高を大きく超えるような資金は動かしにくい。

また預金はいつ引き出されるか分からないという比較的短期のお金だが、融資の方は手元に戻ってくるのに時間がかかる比較的長期のお金だという回収期間の差(デュレーションギャップ)のジレンマもある。

こうしたことから、「ふつうの銀行」は、基本的にはリスクに対する意識が高くならざるを得ない。

 

「トレーディング文化」に染まった投資銀行

 

一方、投資銀行の仕事は資金を必要とする顧客の手伝いをすることであり、預金に頼らず資金を動かす。

例えば、企業の債券・株式の発行や販売のサポートなどがそれで、サービスの種類や規模に応じて手数料を稼ぐ。

つまり、本来の投資銀行は資金の需要家と投資家をマッチングさせる仲介業(ブローカー)なのだ。もともと個人向けではないが、証券業でもある。

仲介モデルでは、資金を調達するのは顧客企業で、リスクを取るのは投資家だ。

取り扱うお金は、素通りする「他人のマネー」である。他人のマネーはバランスシートに載せる必要もないし、自分でリスクを取る必要もない。

このもともとの事業モデルの違いが、「ふつうの銀行」に比べると リスクに無頓着になりがちな投資銀行の企業文化の根底にある。

一方で、預金の束縛がない投資銀行の強みは、スケールの大きなマネーを迅速に動かせることだ。

歴史的に欧州の「マーチャントバンク」や米国の「インベストメントバンク」などの投資銀行が台頭したのは、産業革命以降のこと。

鉄道を始めとする ビッグ・プロジェクト が次々と持ち上がり、ちまちました地方銀行の預金を当てにしていたのでは追いつかないような大きな資金需要が生まれた時代と重なる。

でも仲介業者だから、もともと手元に大きな資金はない。どうやって顧客を掴むのかというと、その武器は、情報と頭脳だ。

グローバル投資銀行には金融市場や産業に精通したバンカー達が、 顧客企業に債券や株式の発行やM&A(企業合併・買収)などの アドバイス を行っている。筆者が個人的に出会ったバンカーの顔を思い浮かべても、極めて優秀で仕事のできる人が多い。

しかし、もともと「仲介業」として顧客サービスが基本だったはずの投資銀行は、レーガノミックス による金融緩和と自由化の波が押し寄せた 80年代から変質していく

商業銀行と投資銀行の分離を定めた「グラス・スティーガル法」が 骨抜きになっていくのもこの頃だ。

金融市場が拡大し競争も規制も厳しくなっていく中で、それまでの パートナー経営から株式を公開し、規模を拡大する投資銀行が相次いだ。なかでも新しい金融商品のトレード に強いプレーヤー が大きくなり、 そうでないところは脱落していった。

やがて投資銀行は顧客の取引だけでなく、株式公開などで潤沢になった自己資金で自らのためのトレード(自己勘定取引)を積極的に行うようになり、トレード利益が全社利益の多くを占めるようになる。

スター・トレーダー が生まれ、彼らが社内で発言力を持つにつれ、より大きな利益のためにより大きなリスクを取りに行く「トレーディングの文化」ウォール街で幅を効かせるようになっていった。

それを象徴したのが、80年代の「ジャンク債」だ。

ジャンク、すなわちガラクタと呼ばれたのは、銀行から融資してもらえないような倒産リスクの高い企業が発行する債券だからだ。リスクは高いがその分利回りも高いので、企業の業績がうまく回復すると 大きな投資利益が上がる。

ジャンク債を複数組み合わせて、投信のようなパッケージ商品にして売ることを考案したのが、「ジャンク債の帝王」と呼ばれたドレクセル・バーナムのマイケル・ミルケンだった。

ジャンク債市場は 1986年に400億ドルを超え、その最大の貢献者ミルケンはピークの年に5億5000ドルの報酬を手にする。日本円でざっと600億円という信じ難い額だ。

ジャンク債は、ピケンズやアイカーンなどの「乗っ取り屋」らが大企業に敵対的買収をかけるのに使った手法、LBO(レバレージ・バイアウト=買収者が買収先企業の資産を担保に資金を調達する手法)にも多用され、ドレクセルなどに追加的なビジネスをもたらした。

しかし、ミルケンらの グループは、会社の リスク管理が効かないまま、暴走していく。

その極めつけは、ミルケンらが会社に隠れて自分達だけの共同出資会社を設立していたことだった。

彼らは顧客のための取引から得られる豊富な市場情報をもとに自らに利益を誘導するトレードを行なっていた。顧客も会社も裏切っていたのだ。

それがインサイダー取引でのミルケンの逮捕とドレクセルの崩壊にもつながっていった。

 

ドイツ銀はなぜ変わったのか?

この ギラギラ した 80年代の ウォール街を横目で眺めていたのが、ドイツ銀行だ。

日本でも一般に銀行にはお固いイメージがあるが、ドイツの歴史と ともに国策を支えてきたドイツ銀行は、まさに名門。

もともとは伝統を重んじ、リスクには慎重な銀行だった。経営陣も ドイツ人なら社内もドイツ語で、カルチャーは「純ドメ」だったという。

それがどう変わっていったのかーードイツの有力誌「シュピーゲル」は、その変化を詳細に追跡している。

それによると、行内の グローバル 化推進派だったヒルマール・コッパー氏が頭取になり、94年に「国際的な投資銀行を目指す」と宣言したことが大きな転換点だった。

英米に追いつくための人材が足らず、多額の資金を投じてリソースを買い集めた。

1989年の英国モルガン・グレンフェルドに続き、1998年には全米8位のバンカーズトラストを買収。国際的な投資銀行部門は、メリルリンチから引き抜いたグループが中心となって立ち上げた。

彼ら外来のバンカーたちは、デリバティブ(株や債券などの価格変動を元にした金融派生商品)など最新の金融商品を取り揃えるとともに自己勘定でもトレードを行い、莫大な利益をあげた。

2000年代にはドイツ銀行の デリバティブ 取引額は世界4位に成長し、頭取より高い報酬を手にするスター・トレーダーも現れた。

2002年に外来組のジョセフ・アッカーマン氏が、非ドイツ人(スイス人)として初めて頭取となると、取締役会の合意に基づく従来の経営スタイルから「スターCEO」が権限を握る米国型経営(過去記事<最大5000倍!社長と従業員の「報酬格差 」が止まらないカラクリ>を参照されたい)へと舵を切った。ドイツ銀のウォール街投資銀行への転身が完了したのだ。

しかし、ニューヨークやロンドンのトレーダーが貪欲に利益を追求する間に、フランクフルト本店によるリスク・コントロールは効かなくなっていった。

それはリーマンショック後に大きな「つけ」となってのしかかることになる。この変化はドイツ銀行の バランスシート に顕著に現れている。

コッパー氏の就任前には3000億ユーロ程度だった資産が、それから  15年もしない2007年には、世界最大級の2兆ユーロに急膨張した。

ピークだった2006年のROE(資本が生み出す利益の率)は20%近くに達したが、その利益の7割以上が変動の激しい投資銀行部門からのもので、リスクも急速に増大した。

そして今――。

リストラ費用を考慮すると、今年のドイツ銀の決算は5年連続の赤字となりそうだ。

自己資本が更に減って自己資本比率が規制の基準値に届かなくなる おそれも指摘されている。

そもそも、「ふつうの銀行」に戻るといっても、今のECBのマイナス金利政策のもとでは、銀行の通常業務さえ振るわない。

その上に住宅ローン担保証券の不正販売に始まって、Liborロンドン銀行間取引金利)の不正操作、ロシアマネーの違法な資金洗浄に関わっていた疑惑など、相次ぐ不祥事の発覚。巨額の罰金や訴訟費用も まだかかりそうだ。

 

連鎖しすぎていて潰せない

バランスシートには引き続き巨大なリスクが残る。

ドイツ銀行の開示によれば、2018年末時点で抱えるデリバティブの 想定元本(実際に受け渡しされる キャッシュフロー を計算するための、名目上元本)は43.5兆ユーロ(5000兆円超。ただし、金利や為替デリバティブを除くと2.1兆ユーロ)に上る。

実にドイツGDPの10倍以上だ。

もちろんこれには売り・買い両方のポジションなどが混ざっている ので、それらを相殺した純(ネット)リスクははるかに小さいという見方もできる。

でも、なら安心か、というと、そうではないと思う。

ポジションを相殺できるという想定は、あくまで契約が問題なく実行され、スムーズに決済されるというのが前提だ。

言い換えると、5000兆円という想定元本は、ドイツ銀行がそれだけ 世界中の銀行やノンバンクと取引をしており、世界中に「カウンターパーティー(取引相手)リスク」を引き起こすおそれがあるということだ。

リーマン危機を思い起こせば、その怖さがわかる。

あの時は、世界の金融機関がお互いに短期資金を融通するCP(コマーシャルペーパー、企業の発行する無担保約束手形)やレポ(証券を担保とする短期貸付)というプロ同士の短期市場で、取引相手の信用力を懸念する貸し渋りが起き、市場の資金があっという間に干上がって連鎖倒産リスクを招いた。

リーマン危機でよく聞かれた言葉が、 “TBTF” (Too Big To Fail)「大きすぎて潰せない」だった 。でもAIGなどの救済は、実際には  “TCTF” (Too Connected To Fail)「連鎖しすぎていて潰せない 」だったのだ。

世界中の金融機関がドミノ倒しとなることが、最悪のシナリオだったからだ。

ドイツ銀の世界経済との結びつきを考えると、まさにTCTFだろう。

 

「経済の金融化」と「金融機関のトレーディング化」

 

ドイツ銀行の迷走は、「ふつう」でなくなった今どきの金融システムの氷山の一角かもしれない。

イギリスのエコノミスト、ジョン・ケイは、その名著『金融に未来はあるか(Other People’s Money)』で、今の経済システムの「金融化」を鋭く指摘している。

例えば、過去数十年間の世界経済と金融産業の成長を比べると、金融だけが突出して成長しているが、その成長がどこから来ているかを 見ると、それは トレード の増加だ。しかも、そのトレードの大部分が、実経済には貢献しない金融機関同士によるものだ。

その中でも伸びているのが上述のデリバティブ

デリバティブは、株や債券、為替などの価格をもとに作られているが、今やデリバティブ市場は、その元となる資産の数十倍にもなる。

金融市場が実体経済よりはるかに大きくなると、景気が悪くなった から市場がクラッシュするのか、それとも市場がクラッシュするから景気が後退するのか、判然としなくなる。

大きすぎる金融システムは、膨らんだ風船のように危なっかしい。

  

ガラスバッジ(12)

 
 資料⑩ における
 
  福島県による学校等を対象とした環境放射線モニタリング結果
  及び 文部科学省が実施した再調査の結果を踏まえた
  原子力災害対策本部 の見解は以下のとおり
 
は、前回 資料⑦では、
 
   福島県による学校等を対象とした環境放射線モニタリング結果
   についての
   文部科学省厚生労働省 の見解は以下のとおり
 
 となっていました。
 両者の違いは、
  ① 「文部科学省厚生労働省」から 「原子力災害対策本部」に変った
  ② モニタリングを、福島県に加えて 文科省も実施した
 ことです。
 
 ①は、この文書の位置づけ と 責任の所在の問題です。
  この作成を主導した文科省は、恐らく 厚労省から 責任の分担を拒否された
 ため、原子力災害対策本部に これを仮託したのでしょう。
 しかし、結局 対策本部からも 肘鉄を喰らって、最終的には 文科省の4局長名
 での文書発出に 矮小化されました⋆1。 
     この文書に責任を持つべき者が 皆 背を向けて、最後にババを引いたのが、
     この4局長だったわけでしょう。
     責任をもてないなら、初めから出すべきではない文書だったはずなのです
     しかし、誰も この文書発出を止めようとはしなかった! 何故なのか?
 
   この間の経緯を明らかにすることは、 20m㏜/年を主導した者の特定 と その責任を
   明らかにする上で 極めて重要だと思います。 
   文科省 或は 経産省内に これら すべてを統括していた奥ノ院があるはずなのです。 
 
   4月19日の この文書のプレス発表直前
    本件に関して、原子力安全委員会のコンセンサスを再度、確認するため、
    「学校再開に関する助言についての考え方(メモ)」について原子力安全委員了解を得た
   というメモを見ると、 安全委の管理環境課の「都築」名で、
    4月19日(火)
    14:00  助言要請発出 (原子力災害対策本部 ⇒原子力安全委員会)
    16:00  助言回答 (原子力安全委員会原子力災害対策本部)
    18:00  文部科学省プレス発表
  というお膳立ての下、 安全委員会の中で
 
   ・年間10mSvが目安といっていたのに、そうではなくなっていて不満はないのか⋆2
   ・どんなに放射線が高くても開校できるようになっていることは、問題ではないか
 
  について、コンセンサス作りをしました。         ⋆2 < ガラスバッジ(7)
   かくして、安全委員は、結局 文科省と安全委事務局に押し切られてしまったのでしょう。
  安全委員会としては、SPEEDIの時と同じく またしても 助言よりも、文科省の行為に
  お墨付きを与える(=尻拭い)だけの役割をする羽目になってしまった!
 
 
 
 また、前回から削除した文(は、
 
  本暫定的考え方においては、
  学校等の校舎ー校庭等の利用判断の基準を上記考え方に従い、3.8μSv/時間とする
 
 というものでした。 
 すなわち、文科省は、この「見解」を明記することを避けたのでした。
 
 
 
  
 
   4月11日   20km圏外にある福島県内5市町村(飯舘村浪江町葛尾村の全域、
     および、川俣町南相馬市の一部地域/約3000世帯・約1万人)が指定される
   5月15日  計画的避難が開始され、初日 飯舘及び川俣町民の乳幼児がいる18世帯
     ・113人が区域外へ移動した(飯舘村民の移動先は福島市)。
     なお、計画的避難区域の全住民のうち、5000人前後( 飯舘村では 約1700世帯・
     約 6177人の3割ほど )は すでに自主的避難をしていた。
                                                                   (未完成)
 
・4月16日(土)、文部科学省の担当者及び放射線医学総合研究所放射線防護研究 センターの
   担当者が来訪し、
   の資料を用いて原子力安全委員及び事務局と打合せを行った。
  ・4月16日~18日(月)、相談を踏まえ、原子力安全委員等が 数回程度 議論を行い、
  ・4月19日(火)、本件に関して、原子力安全委員会のコンセンサスを再度、確認するため、
   「学校再開に関する助言についての考え方(メモ)」について原子力安全委員の了解を得た。
 
 
  放射能を正しく理解するために(平成23年6月24日改訂)  (文科省
 
 
 
                    
 
 
 
 
 
 
 

ガラスバッジ(11)2013/9/20(金) 午後 10:19

 
 2.青色文字(新たに追加した文)について。 (続)
 
  今回の調査で得られた線量率は半減期の短い放射性ヨウ素の寄与が大きい
  こと・・・
 
  ―― 私は、こうした文を見て、今さらですが 奇妙な感じを強くします。
 
  本来、一般公衆の追加被曝は 1m㏜/年と法律に明記されていましたが、
  「 ICRP準拠して 被曝管理をする 」という記述は、どこにもありません。
  原発事故後、突如として、法律にはない ICRPの「参考レベル」 というものが、
  我々の前に姿を現し、一般の人々が 20m㏜/年までの被曝を、当然の如く
  強要されているわけです。
 
     以下、この国の法律を見てみます。
 
       (実用炉規則第一条第二項第六号等の線量限度) 
    第三条 実用炉規則第一条第二項第六号 及び 貯蔵規則第一条第二項第三号の
     経済産業大臣の定める線量限度は、次のとおりとする。
     1 実効線量については、1年間四月一日を始期とする一年間をいう。以下同じ
       つき 1m㏜
         2 前項第一号の規定にかかわらず、経済産業大臣が認めた場合は
       実効線量について 1年間につき 5m㏜とすることができる。     
 
        六  「周辺監視区域」とは、管理区域の周辺の区域であつて、当該区域の外側の
         いかなる場所においてもその場所における線量が経済産業大臣の定める線量限度
         を超えるおそれのないものをいう。    
    (周辺監視区域外の濃度限度)
    第九条 実用炉規則・・・貯蔵規則・・・並びに貯蔵設工規則・・・の経済産業大臣
     定める濃度限度は、三月間についての平均濃度が次のとおりとする。
     一 放射性物質の種類(別表第二に掲げるものをいう。次号及び第三号において同じ
      が明らかで、かつ 一種類である場合にあっては、別表第二の第一欄に掲げる
      放射性物質の種類に応じて、空気中の濃度については第五欄、水中の濃度
      については第六欄に掲げる濃度
     二 放射性物質の種類が明らかで、かつ、空気中又は水中にそれぞれ二種類
      以上の放射性物質がある場合にあっては、それらの放射性物質の濃度の
      それぞれその放射性物質についての前号の濃度に対する割合の和が一と
      なるようなそれらの放射性物質の濃度
     三 放射性物質の種類が明らかでない場合にあっては、別表第二の第五欄
      又は第六欄に掲げる空気中又は水中の濃度(それぞれ当該空気中又は水中に
      含まれていないことが明らかである放射性物質の種類に係るものを除く)の内、それぞれ
      最も低いもの
      ・・・
     五 空気中及び水中に放射性物質がある場合において、それらをあわせて
      吸入摂取 及び経口摂取するおそれがあるときは、その空気中 又は水中に
      おける放射性物質の濃度のそれぞれ空気中又は水中のその放射性物質
      ついての第一号、第三号 又は前号の濃度に対する割合の和が一となるような
      それらの放射性物質の濃度
     六 外部放射線に被曝するおそれがあり、かつ、空気中又は水中の放射性物質
      吸入摂取又は経口摂取するおそれがある場合にあっては、外部被曝による
      一年間の実効線量の1m㏜に対する割合と空気中又は水中の放射性物質
      の濃度のその放射性物質についての空気中又は水中の放射性物質の前各号
      の濃度に対する割合との和が一となるようなそれらの放射性物質の濃度
     2 前項の規定は、第三条第二項の規定に基づき経済産業大臣が認めた場合
      には適用しない。 
 
  2. 電離放射線障害防止規則  には、 
   労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)及び労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)
    の規定に基づき、並びに同法を実施するため、電離放射線障害防止規則を次のように定める。
       第一章 総則

 

     放射線障害防止の基本原則)
    第一条    事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくする
     ように努めなければならない。
    ・・・
     (管理区域の明示等)
    第三条    放射線業務を行う事業の事業者(第六十二条を除き、以下「事業者」という
     は、次の各号のいずれかに該当する区域 (以下「管理区域」という) を標識によつて
     明示しなければならない。
      一  外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との
      合計が 三月間につき1.3m㏜を超えるおそれのある区域
      二  放射性物質の表面密度が別表第三に掲げる限度の十分の一を超える
      おそれのある区域
                ⋆ 1.3m㏜/3カ月=0.6μ㏜/h
      ・・・
       4  事業者は、必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。
       ・・・
      放射線業務従事者の被ばく限度)
    第四条    事業者は、管理区域内において放射線業務に従事する労働者(以下
      「放射線業務従事者」)の受ける実効線量が五年間につき 100m㏜を超えず⋆1
     かつ、一年間につき 50m㏜を超えないようにしなければならない。
      2  事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の放射線業務従事者(妊娠する
      可能性がないと診断されたもの及び第六条に規定するものを除く)の受ける実効線量
      については、三月間につき5m㏜⋆2を超えないようにしなければならない。
        
      ⋆1 100m㏜/5年=20m㏜/年、  ⋆2 5m㏜/3カ月=2.3μ㏜/h
 
           第五章 緊急措置(第四十二条―第四十五条)

 

             (退避)
     第四十二条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する事故が発生したときは
       その事故によつて受ける実効線量が15m㏜を超えるおそれのある区域
      から、直ちに、労働者を退避させなければならない
       一  第三条の二第一項の規定により設けられた遮蔽物が放射性物質
       取扱い中に破損した場合又は放射線の照射中に破損し、かつ、その照射を
       直ちに停止することが困難な場合
       二  第三条の二第一項の規定により設けられた局所排気装置又は発散源
       を密閉する設備が故障、破損等によりその機能を失つた場合
       三  放射性物質が多量にもれ、こぼれ、又は逸散した場合
       四  放射性物質を装備している機器の放射線源が線源容器から脱落した
       場合又は放射線源送出し装置 若しくは放射線源の位置を調整する遠隔操作
       装置の故障により線源容器の外に送り出した放射線源を線源容器に収納
       することができなくなった場合
       五  前各号に掲げる場合のほか、不測の事態が生じた場合
       2  事業者は、前項の区域を標識によつて明示しなければならない。
       3  事業者は、労働者を第一項の区域に立ち入らせてはならない。 ただし、
        緊急作業に従事させる労働者については、この限りでない。
 
  3. 労働基準法 には、 
     (危険有害業務の就業制限)
     第六十二条   
       2  使用者は、満18才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料
       若しくは   材料 又は 爆発性、発火性 若しくは 引火性の原料 若しくは 材料を
       取り扱う業務、著しく じんあい 若しくは 粉末を発散し 若しくは 有害ガス 若しくは
        有害放射線発散する場所 又は 高温 若しくは 高圧の場所における業務
       その他安全、衛生 又は 福祉に有害な場所における業務に就かせては
      ならない
 
 
 
   こうした法律を、東電の福島第一原発事故後に、
 文科官僚らは 国会に諮ることもなく 反故にしてしまい、我々日本国民の
 与り知らない ICRP助言にそって、子供たちに 放射線業務従事者と同じ
 年間被曝量20m㏜を強要する「通知」を福島県教育委員会等に出しました
 
 国家の法律が、国外組織の助言で 反故にされるということが起ったのです!
 
   いかに非常事態であろうとも、国の法律を守る努力を 最初から放棄して、
 国外組織の言を採用するというのは、国家の主権を蔑ろにする行為であり、
 かつ これを 国会に諮らず、また 国会の正式な事後承諾も経ず、政策として
 遂行されうるというのは 驚くべきことです。
 
  しかしながら、法曹界からは こうした問題提起がなされていないような
 ので、法制度上 このような行為が許されるかのようです。     
 
 
  上に挙げた法令
    1 「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」の規定に基づく「線量限度等
   を定める」 経済産業省告示
  2 「労働安全衛生法」・「労働安全衛生法施行令」に基づく厚生労働省令
  3 「憲法第27条2項」に基づく法律
 前2者は 行政府の立法 (執行命令なのか、委任命令なのか、私には よく分からない
 であるが、これらが 特に 今のような場合に、立法府の同意なく 反故・改変
 することが、法的に許容されるものなのかどうか? 行政府の裁量権の範囲
 なのかどうか? 
 
  そして、 今問題としている 文部科学省通知」 
 の法的な位置づけは どうなのか?
 
   法律に詳しい方に、ぜひ 教えて頂きたいと思います。
 
 

 
  再び、
  今回の調査で得られた線量率は半減期の短い放射性ヨウ素の寄与が大きい
  こと・・・
 
   資料⑩ に添付された 4月14日実施の「福島県内の学校再調査の結果一覧
  において、半減期8日の ヨウ素131の土壌汚染は 1000~6000㏃/㎏にも
  上り、これが、空間線量率に大きく寄与していると認めています。
 
   それにもかかわらず、子供らの被曝を少なくすべく、暫定的(数か月)にでも  彼らを この被曝環境から離すのではなく、4月からの学校再開を促す通知
  を、福島県教育委員会 及び福島県知事に、文科省は発出したのでした! 
 
  放射性ヨウ素の被曝下で、それが減衰するにまかせて、子供らを学校・園に
  通わせ、初期被曝の回避に対して 積極的な対策を取らなかったのは、
  文科省県行政が、意図的に 子供らに 被曝を強要したということになり
  ます。
 
    彼らは、子供を始め 住民らに犠牲を強いるという、自分らにとって
  一番 安易な道を選択してしまったのでした。しかし、この行政のあり方は、
  「 原子力災害の結果ではなく、これを起した原因ではなかったか?! 」 
  という問題まで認識されないと、事の根本解決とはならないはずです。 
 
 

ガラスバッジ(10)

ここで ちょっと横道に逸れて、

改めて、
 27年前に起きた チェルノブイリ の事故を見ることで、福島第一原発事故の汚染規模
を考えてみることにします。
   
 Ⅰ.Cs137の土壌汚染
   *1キュリー=370億ベクレル
          1~  5Ci/k㎡=  37k~185k㏃/㎡     
       5~15Ci/k㎡=185k~555k㏃/㎡     
 
   福島県の周辺地図-Yahoo!ロコ
                   地図画面右上の「地図 ▽」を開いて「情報を重ねる」欄の
                  「放射線情報[災]」に✔を入れると、詳細な汚染地図になります。  
      文科省航空機モニタリング
      [object HTMLMetaElement]      
 
   Yahoo!ロコ の左側の内から セシウム137を選んで、 
  上の チェルノブイリ のセシウム137汚染地図と比べてみると、
 
   チェルノブイリの  1~ 5 Ci/k㎡ 地帯 は、
  フクシマ では くすんだ青から 濃い青 さらに の地域にあたります。 
  福島県 ほぼ東半分 及び 会津坂下方面から、茨城県北部霞ヶ浦南部、
  千葉県北部、栃木県北部一帯 及び 群馬県北半分、宮城県南部
  北部から岩手県の一部にかけての地域です。
 
   チェルノブイリで  5~15Ci/k㎡ 地帯 は、
  フクシマでは、 から 薄い青の地域に当り、福島県
  浜通りいわき市北部から 南相馬市太平洋岸を除く2/3相馬市西部
  から 宮城県丸森町白石市福島県境地帯、そして 中通り一帯にかけて
  の地域に当ります。
 
 
   ※ チェルノブイリとは異なって、福島第一原発は 太平洋に面して立地している。  
 
       環境省所管の(独)国立環境研究所によると、
       放出された ヨウ素131の13%、セシウム137の 22%が 陸地に沈着し、
             残りは海洋に沈着するか、モデル計算領域外に輸送された      
     としている。   < 大気輸送沈着 シミュレーション
     日本にとって 幸いなことに、放出されたCs137の大半は 海洋に流れていて、
     上の文科省の汚染地図は 放出全量の 約1/5を反映しているのみに過ぎない。
 
       @ もし、日本海側や西日本の原発で この規模の事故が起きていたら 
                 と思うと、背筋が凍る思いです。 
 
    ※ Cs134の放出量 : Cs137の放出量
        ――― チェルノブイリでは 1:2 、フクシマでは 1:1
 
 
  次に、
 上の チェルノブイリの地図の 一番内側の円(30km)内に フォーカスして、
 
  Ⅱ.空間線量率
 
  チェルノブイリ事故(1986年4月26日)から1週間後の5月1日における
 事故原発30km圏内の空間線量は、
    図3 1986年5月1日におけるチェルノブイリ原発周辺30km圏の各居住区の空間線量率(mR/h
 
 
  この30km圏内は、事故後11日間のうちに 
 
     原発職員が住んでいるプリピャチ市(原発から3~6km)住民の避難が始まったのは,
     事故後約36時間後の4月27日午後2時.1300台のバスを使って,住民4万5000人の
    避難が約3時間で完了したと言われている.・・・
     避難が始った頃のプリピャチ市内の空間線量率は,数100mR/h(ミリレントゲン/時).
       プリピャチ市以外の周辺住民の避難が決定されたのは,事故から1週間経った 5月2日.
    まず、原発周辺10km圏の村落の避難が 5月3日から始まり、さらに 周辺30km圏内の
    残りの村落の避難が行なわれ,5月6日には ほぼ終了した. 
        プリピャチ市民を含め,結局 13万5000人が チェルノブイリ原発周辺30km圏から避難した.
                  < 周辺30km圏避難住民の外部被曝量の評価(1)    
 
 のごとく、ほぼ全ての住民が避難を完了したと言われます。
 
  線量の単位が R(レントゲン)だが、分かり易く ㏜ に直すと、
    1R= 8.77 mGy= 8.77 m㏜   100mR/h= 0.877 m㏜/h=877μ㏜/h
                          1mR/h= 0.00877 m㏜/h=8.77μ㏜/h 
 
    上図の黒色地点は、  1~ 18mR/h= 8.77~157.9μ㏜/h
         桃色地点は、 20~ 75mR/h=175.4~657.8μ㏜/h
         赤色地点は、100~380mR/h=877 ~3332.6μ㏜/h
 
     (フクシマとの比較のため)
       3mR/h=26.3μ㏜/h、 5mR/h=43.9μ㏜/h、 10mR/h=87.7μ㏜/h
 
 となる。
 
 
 フクシマの場合は、20~30km圏内は 屋内退避指示だったが、
 
   事故直後は、
    福島市(約60km): 15日 午後640   24.24μ㏜/h
    飯館村39km): 15日午前6時20分 44.7μ㏜/h 
          しかし、ジャーナリストから知らせてもらった数値は 100μ㏜/h以上
       今中哲二氏:28~29日 長泥曲田 30μ㏜/h、逆算して、15日 150μ㏜/h 
      約20Km 地点 : 15日午後9時頃   195~330μ㏜/h
    福島県双葉町上羽鳥(5.6km): 3月12日午後3時 1590μ㏜/h
     富岡町夜の森(7km): 15日午前2時  186μ㏜/h
                                  < 事故直後のモニタリング テータ
 
 
   事故から20日後では、
     浪江町立津島小学校   4月5日   23.0μ㏜/h  
     飯舘村立草野小学校       〃     14.0μ㏜/h
     福島市立御山小学校        〃       4.9μ㏜/h
     川俣町立山木屋中学校     〃        6.6μ㏜/h
        本宮市立和田小学校         〃           4.2μ㏜/h
     福島市立渡利中学校      4月6日      5.4μ㏜/h
     郡山市立薫小学校         4月7日      4.5μ㏜/h
     郡山市立郡山第一中学校 〃      〃
     相馬市立玉野中学校   4月6日    4.1μ㏜/h
               福島県環境放射線モニタリング 小・中学校等実施結果(23.4.8更新)
    
 
 
         チェルノブイリのストロンチウム90による土壌汚染地図  P27
                                 Chernobyl Forum IAEA 2006
          点線の円: 半径30km
          北~西60km圏内が 37k㏃/㎡以上の Sr90汚染地帯であるが、
         Cs137汚染ほど 広汎な広がりではないとしている。 
           例。 ピルキ、 ドブリャディ、 N.シェぺリチ、ジモビシチェ : >111K㏃/㎡  
              テルノビッチ : 74~111 K㏃/㎡
              サビチ、 デニソビッチ : 37~74 K㏃/㎡
              イリンツィ : <37K㏃/㎡
              ・キエフ: 5800㏃/㎡  (1996年 南 110km)
          @ Sr90は、空間線量率には 寄与しない。
 
 
 
  Ⅲ.積算線量
 
   WHOのHPより「チェルノブイリ事故の健康影響」
    Doses received from the Chernobyl accident 
 
          集団(被曝した年)       :人数  → 20年間の平均総量(mSv)
      清算人(1986-1987)(高被曝)            :  240000人  → > 100mSv
      避難者(1986)                      :  116000人  →  > 33mSv
                                               < 周辺30km圏避難住民の外部被曝量の評価(4)
      SCZs(>555 kBq/m2)の住民(1986-2005)    :  270000人  → > 50mSv
      低汚染地区(37 kBq/m2)の住民(1986-2005)  :5000000人  → 10~20mSv
      バックグランド(2.4m㏜/年)                       48m㏜ 
 
                                 
 人口
   ベラルーシ  9 634 000人(2008)、ロシア  143 340 000人(2012)、ウクライナ  45 708 0002008) 
 
   ベラルーシ、ロシア、ウクライナの汚染地域住民が 1986~1995年に受ける推定集団実効線量
 事故後最初の10年間に与えられた集団実効線量は、外部被曝から 24200人・㏜、内部被曝
 から 18400人・㏜、合計で 42600人・Sv。平均実効線量8.2m㏜と推定される。
                42600人・Sv÷5160000=0.00825㏜=8.25m㏜
 最初の10年間で受けた線量が外部被曝の生涯線量の60%、内部被曝の生涯線量の90%
 と仮定すると、平均生涯実効線量12m㏜に相当する。  ATOMICA より 
 
 
 
   では、フクシマの場合の積算実効線量は、どうなのか?
 
  この シリーズ では、外部被曝の実効線量を評価しようとしているわけですが、
 しかし、実際の値が どうであったかという以前に 留意すべきことは、
 
 文科省が、年20m㏜の被曝を、大人だけでなく 子供にも要求し、
 かつ、2年半以上経っても、これを取り下げていないという事実です。
 
  福島県中通りと同じ レベルの,チェルノブイリにおける土壌汚染地域での
 事故から 20年間の積算実効線量は 10~50m㏜ですから、
 文科省が出した 1年間に 20m㏜の実効線量というのが、いかに大きな数値
 かということが分かります。
 
  

ガラスバッジ(9)

(8) のつづき

 

     しかし、奇妙なことに、

    我々が聞かされてきたのは、避難or移住によって不利益を被るのは、

    日本政府ではなく、被曝住民たち自身であるということでしたし、

    さらに、驚くべきことに、

    フクシマの人々自身も 自らそう思っていることです

 

         避難や移住によって健康被害の除去 と 生活再建の保障 (≠賠償!)を

        する道義的責任が 国には あるはずであるし、また 国の内外で 再び原発事故

        が起きた際の前例を、フクシマの人々自身が作っているという責任もある。

 

         フクシマの人は、広汎な放射能汚染を引き起こすような 従来の国家のあり方を

        根本から問い直す役割を、被害の当事者として荷う責務があるのではないか?!

 

     (フクシマとは、福島第一原発事故で 大地が放射能汚染を被った地域に住む人々のこと)

 

                                               

 

      2000年 三宅島の噴火で、全島避難をしたことがありました。

    老人も子供 も、漁師も避難し、4年5か月後に 避難は解除されました。

      http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/pdf/miyakejima/02_Chapter.pdf

 

     フクシマでは、行政や マスコミ は、‘帰還したい’という避難区域住民

    の声を盛んに喧伝してきましたが、

    三宅島の人々は 4年以上にわたり 黙って避難生活を我慢した訳です。

     したがって、避難によって 住民が不利益を受けるのは、当然のことで、

    そのことが 避難をさせない政策の正当化には、必ずしも なりません。

 

      ※ 避難住民の不利益を いかに軽減するか という所にこそ、行政の手腕の見せ所

       があるはずなのです。

 

 

     では、

    なぜ、政府は 三宅島は避難させ、フクシマでは 住民を被曝環境に留めた

    のか? 

     ――― 三宅島では、火山弾や火砕流、二酸化硫黄など 直接 生命に

    かかわる事態が発生し、その被害が 即座に 誰の目にも明らかなため、

    行政としては 対応せざるを得なかったのですが、

    フクシマの場合は、放射能が五感では捉えられず、また急性障害ではなく、

    晩発の傷害であるため、直ちに 健康には影響が出ず、後になって出ても 

    多くは 目で見ては分かりにくいという事情のため、行政は 対応しがたい

         という違いがあります。

 

      ここに 原子力災害の特殊性があるわけですが、 

    さらに、この度のように、放射能による汚染が 広汎な地域にわたり、

    他の自然災害とは比べものにならない程、避難をすべき人数が膨大に

    なって、国家を崩壊させかねないという事実があります。

 

 

    この2つの 極めて特異な原子力災害のあり方に対して、

 

     1. 原発利用による生活上のメリットが たとえ あっても、一旦 激甚な

       事故が起きると、その生活そのものが奪われてしまうのであるから、

       原発利用自体を放棄しよう。

     2. 原発利用による生活上のメリットがあるのだから、いかに デメリット

       があろうと、デメリットを克服して メリットは手放すべきではない。

 

    という2つの立場があります。

 

         ふつう、1.を選択するのが 人間本来の態度だが、今日 主流の考え方は 2.。

         すなわち、今日の我々の考えは、人間本来の考えからは かなり逸脱している。

 

         また、自然災害は なくすことはできないが、原発は 人工物なので放棄可能。

        すなわち、原子力災害は 自然災害とは異なって、我々は その災害を根絶する

        ことができる。

 

 

     2.の立場においては、デメリットの克服が課題となります。

 

      一つには、事故を起さない原発を作るとか、事故を起さない社会的な

     装置を構築するとか、3.11以前にも 盛んに言われてきたことです。

      二つには、デメリットを、できるだけ デメリットではなくすること。 

     わが国が採用している ICRP放射線防護体系が、これでしょう。

 

        ※ わが国が、ICRP放射線防護体系を採用することについては、法的な

           根拠はありません。放射線防護の専門家集団の主流が ICRPの影響下

           にあるために、わが国が これを採用しているわけです。

 

 

    一については、 いくら事故を起さないような手段を講じても、事故を 0に

      することは不可能であるので、二を必要とします。

 

    二については、

       デメリットの本体は 放射線の被曝による死亡or健康障害であり、

     これから派生してくる 数々の問題群でしょう。

     したがって、

      まず 被曝をなくすことが一番⋆だが、原子力を利用する限り、被曝は 

     必ず生ずるので、「被曝による健康影響の評価」と その評価に基づく

     「被曝管理」によって、デメリットを少なくする・・・。

      今一つは、被曝から派生する問題群の削減です。

 

            ⋆ 例えば、被曝労働を 下請け労働者や外国人にさせる

 

      ところで、このデメリットというのは、誰のデメリットなのか?

 

         例えば、原子力事業者にとっては、社員の被曝を少なくするために、

          下請け労働に頼っているわけだが、これは 事業者や社員にとっては

          デメリットの回避になるが、下請け労働者にとっては 被曝というデメリットを

          しょい込むことになる。 即ち、デメリットを 他に付け回しているだけで、

          人間社会全体では、 デメリットは 少しも克服されてはいない。

 

           被曝者に死亡or健康影響が出ると、これは 被曝者及び家族のデメリット

          であるのは当然だが、一方 事業者は 損害賠償という経費(デメリット)が

          生ずる。このために、被曝との因果関係を極小にする論理を構築する等、

          被害を少さく評価すること*で デメリットを削減する。

           * この論理構築に使われるのが、ICRPの健康影響評価である。

            この場合のデメリットは、被曝者 及び家族 と 事業者とでは、明らかに

          非対称である。前者のデメリットは取り返しがつかないが、後者は その削減

          が可能であるからだ。

          また、自らのデメリットを削減するための方法・手段も、前者は 後者とは 

          比較にならないほど限られたものでしかないところにも、非対称がある。

 

             ※ 上には 「事業者」と言っているが、法律の上では 死亡or健康影響

               の責任は、事業者にあって、原子力推進を国是としている 「国」には

               及ばないようになっている。これも、福島第一のような 大規模な事故

               を目の当りにすると、法律上非対称を痛感させられる。

 

 

 

    ICRPの被曝による健康評価で、

    事故以来 目立って 我々が聞かされてきたのは、100m㏜/年でした。

 

      100 m㏜以下の被ばく線量では、他の要因による発がんの影響によって

       隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を

       証明することは難しいとされる。

         低線量被ばくのリスク管理に関する ワーキンググループ 報告書 - 内閣官房

 

    つまり、

      100m㏜/年以下の被曝では 健康への影響は否定できないが、

      特定個人に 被曝の影響が出たことを証明することは難しいので、

      健康被害が出ても、その賠償は ほぼ できない(しないでよい)

    とする思想・ドグマでした。  

 

     これが、科学の名を冠して 政府の政策を決定づけたのですが、

    まさに、このドグマが、デメリットの極小化に 大変な働きをしているのは、

    注目すべきことです。

 

        この100m㏜/年のドグマが重しとなって、退避・避難区域 及び学校等の利用

       の20m㏜/年が正当化され、本来なら 避難すべき住民を 被曝環境に留めてしまう

       ことになったし、除染&帰還政策による イタズラな仮設生活の長期化を結果させて

       いるのである。

 

      100m㏜という物理学者好みのキリの良い数字を出していることにも、

    何かマガイモノの匂いがしますが、より 詳細に ICRPの体系を見ていくと、

    まさに この100m㏜を補強する論理立てになっていることに気付きます。

    すなわち、ICRPの防護体系は、「ためにする科学⋆1」ではないか? と・・・。

 

       ⋆1 目的がまずあって、その目的に沿うように理論を組み立てていく科学のこと。

 

     たとえば、

      ICRPが 100m㏜/年以下の確率的影響として認めているのは、

     ガンと白血病、遺伝的影響だけで、他の健康障害⋆2は無視しています。

                  5. 確率的影響と確定的影響 - 緊急被ばく医療研修

     しかし、被曝を受けた人にとっては、トータルな健康影響が問題な訳です。

 

        ⋆2 < ベラルーシ諸地域における非ガン性疾患(1)   < (2)

                         ユーリ・バンダシェフスキー 

            子供の臓器と臓器系統では、50Bq/kg以上の取りこみによって

                  相当の病的変化が起きている。しかし、10Bq/kg程度の蓄積でも

             様々な身体系統、特に心筋における代謝異常が起きる・・・

                        10㏃/kgの時         50㏃/kgの時    

            体重20~35kg :200~350 ㏃/Body     1000~1750 ㏃/Body

               50~60kg :500~600 ㏃/Body       2500~3000 ㏃/Body

                                 ※南相馬市:   内部被ばく検診結果

 

      これは、「 被曝による デメリットは、それを デメリット と認識しなくては、

     デメリット とはならない 」というような人間のサガを 巧みに利用して、 

     デメリットの極小化を図っている一例です。

 

 

ガラスバッジ(8)

文科省から安全委事務局に送付された 先の資料⑦の 修正資料⑩ は、

以下のごとく、またしても 大小の書き換えをしており、ああでもない こうでもない
と、作文に四苦八苦していることが窺えます。
 
  (  黒:資料⑦と同文水色:新たに加えた文くすんだ青:文の手直し※:削除 
 
 
                                  平成23年4月O日
                                原子力災害対策本部
   福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方(案)
 
Ⅰ.学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安について
 
  現在、避難区域と設定されている区域、これから 計画的避難区域や緊急時退避準備
 区域に設定される区域を除く地域における、学校等の校舎・校庭等の利用の判断に
 ついては、特別の考慮が必要である。 原子力発電所の事故の状況は 続いているが、
 このような地域の環境においては 放射性物質の放出の影響は 比較的小さいので、
 児童生徒等が 学校教育・保育を受ける必要性から 次のように国際的基準を考慮する
 ことが適当である。
 
   国際放射線防護委員会(ICRP)Publication109(緊急時被ぱくの状況における公衆の
 防護のための助言)によれば、上記のような場合においては、事故継続等の緊急時の
 状況における基準である 20~1OOmSv/年と、事故収束後の汚染による被ぱくの基準
  である1~20mSv/年を併用できるとされている。 
 また、ICRPは、2007年勧告を踏まえ、本年3月21日に改めて「今回のような非常事態が
 収束した後の一般公衆における参考レベル(※1) として、1~20mSv/年の範囲で考える
 ことも可能」とする内容の声明を出している。
 
  このようなことから、子どもたちが学校に通える地域においては、非常事態収束後の
 参考レベルを基本とし、参考レベルの1-20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断
 における暫定的な目安とすることで、そこから児童生徒等の受ける線量のできるだけの
 低減を図ることが適切であると考えられる。
 
  ※1 参考レベル:これを上回る線量を受けることは不適切と判断されるレベルであるが、
    これを担保できれば良いというわけではなく、合理的に達成できる範囲で、線量の低減
    を図ることとされている。
 
  また、児童生徒等の受ける線量を考慮する上での保守的な想定として、16時間の
 屋内、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率
 は、3.8μSv/時間である。
  今回の調査で得られた線量率は半減期の短い放射性ヨウ素の寄与が大きいこと、
 学校等での生活は校舎内で過ごす割合が相当を占めるため、学校等の校庭・園庭に
 おいて 3.8μSv/時を示した場合においても、校舎内の滞在には大幅な線量の軽減
 効果が期待できるため、校舎内での生活により 年間の線量を20mSv以下とすることが
 可能である。
  なお、今回 福島県によって実施された調査で、得られた 20校の土壌分析データから、
 内部から受ける線量の寄与については無視できるほど小さいことが判明している。
 
 
II.学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安を踏まえた福島県における
 学校等を対象とした環境放射線モニタリングの結果に対する見解
 
  平成23年4月8日に結果がとりまとめられた福島県による学校等を対象とした環境放射
 線モニタリング結果及び文部科学省が実施した再調査の結果を踏まえた原子力災害対策
 本部の見解は以下のとおり。
        
    なお、原子力災害特別措置法第20条第5項に基づき避難区域・計画的避難区域
 緊急時避難準備区域とされる地域に所在する学校等については、校舎・校庭等の利用
 は行わないこととされている。
 
 (1) 文部科学省による再調査により、校庭・圏庭で 3.8μSv/時間(保育園、幼稚圏、
 小学校については 50cm高さ、中学校については 1m高さの数値:以下同じ) 以上の空間
 線量率が測定された学校等については、別添に示す留意事項に配慮するとともに、
 空間線量率の十分な低下が確認されるまでの間は、屋外活動を制限することが適当で
 ある(一日 1時間程度の屋外活動の実施は差し支えない)。また、特に保育園、幼稚園
 においては 砂場の利用を控えること。
  さらに、今後 3~4か月間にわたり継続的なモニタリングを実施することが適当o

  (2) 今回のモニタリングにより、3.8μSv/時間未満の空間線量率が測定された学校等
 については、校舎・園舎、校庭園園庭を利用をして差し支えない。
 但し、 今後3~4か月間にわたり継続的なモニタリングを実施する必要性を検討する
 ことが適当。
 
 
Ⅲ.留意点
 この「暫定的考え方」は、平成23年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故を受け、
平成23年4月以降、夏季休業終了(おおむね8月末)までの期間を対象とした暫定的なもの
とする。
 今後、上記学校等における継続的なモニタリングの結果を踏まえ、随時 評価の上 II.で
示した制限措置を解除することもあり得る。 または、事態の変化により、通知内容の変更
や追加的な措置についての助言を行うことがある。
 
  ・・・
 

 
  1.まず、この文書「暫定的考え方」の発出責任の所在は、
   案では、
    4月9日   無記名                                          資料①
    4月10日  無記名                                          資料③
    4月11日  文部科学省厚生労働省 の連名   資料⑥
    4月12日       〃                  資料⑦
   そして、この文書が、
    4月○日   原子力災害対策本部          資料⑩ 
 
   のように変っていき、
   資料⑬を見ると、4月19日発表当日まで「原子力災害対策本部」の名
   記されていました。
   しかし、プレス発表では 突然、 文科省局長名に変っていました。
   すなわち、この重大な決定の責任が矮小化されてしまっていたのです。
    どういう経緯で、このようなことになったのか?
 
    対策本部名」だけというのも奇妙な話で、「対策本部長 菅直人」としていなくては
     ならなかったはずですし、文科省の発出にするなら 「文部大臣 髙木義明 」とせねば
     ならなかったはずです。
 
 
 
   2. 青色文(新たに追加した文)について。
   Ⅰ.の冒頭の文は 今までの案文にはなかったもので、従来は のっけから
 
     国際放射線防護委員会(ICRP)は2007年勧告を踏まえ、「今回のような非常事態が
      終息した後の一般公衆における参考レベル・・・
 
   という文で、どれも始まっていました。
   すなわち、文科省は ICRPの権威を前面に押し出して、
 
      生活地域で学校教育・保育を受ける利益と放射線防護の必要性を比較考量して、
      参考レベル の上限である 20m㏜/年を年間の被曝線量限度の暫定的な目安
 
   とすることを正当化しようとしていたわけです。 
   しかし、この案では、
 
     児童生徒等が 学校教育・保育を受ける必要性から 次のように国際的基準を考慮
     することが適当である。
      国際放射線防護委員会(ICRP)の・・・

   と、この「暫定的考え方」が わが国の主体的判断である印象を出して、
   唐突感のある 20m㏜ を 1~20m㏜ とし、また、ICRP功利主義思想
   である 「防護の最適化」のアカラサマな表現を和らげています。
        これは、先の安全委の記者会見の反響に、文科省が対応した結果では
   ないかと想像されます。
 
        被曝線量を より小さくしようとすると、より大きな費用がかかり、
       過度に対策を行うと、得られる便益に見合わない費用が発生するため、
       費用と便益の観点から放射線防護の最適化を図るという考え方。 - ATOMICA -
         ALARA: 経済的、社会的要因を考慮して、合理的に可能な限り、
                 被曝線量を低減する
 
        防護の最適化における費用と便益とは、誰の費用であり 便益であるのか?
         ――― これが、事故以来 つねに曖昧にされてきました。
 
         文科省は、「生活地域で学校教育・保育を受ける利益と放射線防護の必要性
         を比較考量して」或は「児童生徒等が 学校教育・保育を受ける*必要性から
         と言っているわけですが、  
         利益は、誰の利益or必要性なのか? 又、放射線防護対策は、誰がするのか?
 
          注。 * 部分に、「利益と放射線防護の」を入れると上の黒色の文になる!
           今までは、「生活地域で学校教育・保育を受ける利益」としていたのが、
           この文案で、「生活地域で」と ICRPの用語である「放射線防護」を削除し、
           「利益」を「必要性」と変えている。
 
 
    では、「放射線防護の最適化」を図るとは 具体的にどういうことか?
 
     もちろん、これに先立つ 4月11日 発表の
         「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」 設定 避難基準とした 20m㏜/年
    と、これを踏まえた、文科省の この「暫定的考え方」という文書でしょう。
 
     すなわち、 
    最適化を図る主体は、被災住民ではなく 政府行政であり、
 
     広汎に広がった放射能汚染の環境下において、
       被曝線量を より小さくしようとすると、より大きな費用がかかり、
     とは、放射線管理区域相当の汚染地帯の全住民を避難させる「避難する
     ではない!)ことで 被曝を少なくしようとすると、政府or東電は お金を出さね
    ばならないが、その費用よりも 住民の被曝による健康被害に要するお金
    の方が より安価になる ~本当に トータルの費用が そうなのか否かは分らないが、
     政府が そう判断したわけですため、住民を被曝環境に置いておくために、
    20m㏜/年を設定したわけで、これを 「放射線防護の最適化」というので
    しょう。
 
     また、過度に対策を行うと、得られる便益に見合わない費用が発生するため とは、
    得られる便益( 避難により 住民の健康を守る )に見合わない費用が発生
    する (国家の利益が損なわれる) と政府が判断したということになります。
             (参考情報平成23年6月17日 日本学術会議会長談話
                http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d11.pdf
             < 避難者増懸念し 福島帰還基準  朝日  2013年5月25日