ガラスバッジ(11)2013/9/20(金) 午後 10:19

 
 2.青色文字(新たに追加した文)について。 (続)
 
  今回の調査で得られた線量率は半減期の短い放射性ヨウ素の寄与が大きい
  こと・・・
 
  ―― 私は、こうした文を見て、今さらですが 奇妙な感じを強くします。
 
  本来、一般公衆の追加被曝は 1m㏜/年と法律に明記されていましたが、
  「 ICRP準拠して 被曝管理をする 」という記述は、どこにもありません。
  原発事故後、突如として、法律にはない ICRPの「参考レベル」 というものが、
  我々の前に姿を現し、一般の人々が 20m㏜/年までの被曝を、当然の如く
  強要されているわけです。
 
     以下、この国の法律を見てみます。
 
       (実用炉規則第一条第二項第六号等の線量限度) 
    第三条 実用炉規則第一条第二項第六号 及び 貯蔵規則第一条第二項第三号の
     経済産業大臣の定める線量限度は、次のとおりとする。
     1 実効線量については、1年間四月一日を始期とする一年間をいう。以下同じ
       つき 1m㏜
         2 前項第一号の規定にかかわらず、経済産業大臣が認めた場合は
       実効線量について 1年間につき 5m㏜とすることができる。     
 
        六  「周辺監視区域」とは、管理区域の周辺の区域であつて、当該区域の外側の
         いかなる場所においてもその場所における線量が経済産業大臣の定める線量限度
         を超えるおそれのないものをいう。    
    (周辺監視区域外の濃度限度)
    第九条 実用炉規則・・・貯蔵規則・・・並びに貯蔵設工規則・・・の経済産業大臣
     定める濃度限度は、三月間についての平均濃度が次のとおりとする。
     一 放射性物質の種類(別表第二に掲げるものをいう。次号及び第三号において同じ
      が明らかで、かつ 一種類である場合にあっては、別表第二の第一欄に掲げる
      放射性物質の種類に応じて、空気中の濃度については第五欄、水中の濃度
      については第六欄に掲げる濃度
     二 放射性物質の種類が明らかで、かつ、空気中又は水中にそれぞれ二種類
      以上の放射性物質がある場合にあっては、それらの放射性物質の濃度の
      それぞれその放射性物質についての前号の濃度に対する割合の和が一と
      なるようなそれらの放射性物質の濃度
     三 放射性物質の種類が明らかでない場合にあっては、別表第二の第五欄
      又は第六欄に掲げる空気中又は水中の濃度(それぞれ当該空気中又は水中に
      含まれていないことが明らかである放射性物質の種類に係るものを除く)の内、それぞれ
      最も低いもの
      ・・・
     五 空気中及び水中に放射性物質がある場合において、それらをあわせて
      吸入摂取 及び経口摂取するおそれがあるときは、その空気中 又は水中に
      おける放射性物質の濃度のそれぞれ空気中又は水中のその放射性物質
      ついての第一号、第三号 又は前号の濃度に対する割合の和が一となるような
      それらの放射性物質の濃度
     六 外部放射線に被曝するおそれがあり、かつ、空気中又は水中の放射性物質
      吸入摂取又は経口摂取するおそれがある場合にあっては、外部被曝による
      一年間の実効線量の1m㏜に対する割合と空気中又は水中の放射性物質
      の濃度のその放射性物質についての空気中又は水中の放射性物質の前各号
      の濃度に対する割合との和が一となるようなそれらの放射性物質の濃度
     2 前項の規定は、第三条第二項の規定に基づき経済産業大臣が認めた場合
      には適用しない。 
 
  2. 電離放射線障害防止規則  には、 
   労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)及び労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)
    の規定に基づき、並びに同法を実施するため、電離放射線障害防止規則を次のように定める。
       第一章 総則

 

     放射線障害防止の基本原則)
    第一条    事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくする
     ように努めなければならない。
    ・・・
     (管理区域の明示等)
    第三条    放射線業務を行う事業の事業者(第六十二条を除き、以下「事業者」という
     は、次の各号のいずれかに該当する区域 (以下「管理区域」という) を標識によつて
     明示しなければならない。
      一  外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との
      合計が 三月間につき1.3m㏜を超えるおそれのある区域
      二  放射性物質の表面密度が別表第三に掲げる限度の十分の一を超える
      おそれのある区域
                ⋆ 1.3m㏜/3カ月=0.6μ㏜/h
      ・・・
       4  事業者は、必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。
       ・・・
      放射線業務従事者の被ばく限度)
    第四条    事業者は、管理区域内において放射線業務に従事する労働者(以下
      「放射線業務従事者」)の受ける実効線量が五年間につき 100m㏜を超えず⋆1
     かつ、一年間につき 50m㏜を超えないようにしなければならない。
      2  事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の放射線業務従事者(妊娠する
      可能性がないと診断されたもの及び第六条に規定するものを除く)の受ける実効線量
      については、三月間につき5m㏜⋆2を超えないようにしなければならない。
        
      ⋆1 100m㏜/5年=20m㏜/年、  ⋆2 5m㏜/3カ月=2.3μ㏜/h
 
           第五章 緊急措置(第四十二条―第四十五条)

 

             (退避)
     第四十二条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する事故が発生したときは
       その事故によつて受ける実効線量が15m㏜を超えるおそれのある区域
      から、直ちに、労働者を退避させなければならない
       一  第三条の二第一項の規定により設けられた遮蔽物が放射性物質
       取扱い中に破損した場合又は放射線の照射中に破損し、かつ、その照射を
       直ちに停止することが困難な場合
       二  第三条の二第一項の規定により設けられた局所排気装置又は発散源
       を密閉する設備が故障、破損等によりその機能を失つた場合
       三  放射性物質が多量にもれ、こぼれ、又は逸散した場合
       四  放射性物質を装備している機器の放射線源が線源容器から脱落した
       場合又は放射線源送出し装置 若しくは放射線源の位置を調整する遠隔操作
       装置の故障により線源容器の外に送り出した放射線源を線源容器に収納
       することができなくなった場合
       五  前各号に掲げる場合のほか、不測の事態が生じた場合
       2  事業者は、前項の区域を標識によつて明示しなければならない。
       3  事業者は、労働者を第一項の区域に立ち入らせてはならない。 ただし、
        緊急作業に従事させる労働者については、この限りでない。
 
  3. 労働基準法 には、 
     (危険有害業務の就業制限)
     第六十二条   
       2  使用者は、満18才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料
       若しくは   材料 又は 爆発性、発火性 若しくは 引火性の原料 若しくは 材料を
       取り扱う業務、著しく じんあい 若しくは 粉末を発散し 若しくは 有害ガス 若しくは
        有害放射線発散する場所 又は 高温 若しくは 高圧の場所における業務
       その他安全、衛生 又は 福祉に有害な場所における業務に就かせては
      ならない
 
 
 
   こうした法律を、東電の福島第一原発事故後に、
 文科官僚らは 国会に諮ることもなく 反故にしてしまい、我々日本国民の
 与り知らない ICRP助言にそって、子供たちに 放射線業務従事者と同じ
 年間被曝量20m㏜を強要する「通知」を福島県教育委員会等に出しました
 
 国家の法律が、国外組織の助言で 反故にされるということが起ったのです!
 
   いかに非常事態であろうとも、国の法律を守る努力を 最初から放棄して、
 国外組織の言を採用するというのは、国家の主権を蔑ろにする行為であり、
 かつ これを 国会に諮らず、また 国会の正式な事後承諾も経ず、政策として
 遂行されうるというのは 驚くべきことです。
 
  しかしながら、法曹界からは こうした問題提起がなされていないような
 ので、法制度上 このような行為が許されるかのようです。     
 
 
  上に挙げた法令
    1 「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」の規定に基づく「線量限度等
   を定める」 経済産業省告示
  2 「労働安全衛生法」・「労働安全衛生法施行令」に基づく厚生労働省令
  3 「憲法第27条2項」に基づく法律
 前2者は 行政府の立法 (執行命令なのか、委任命令なのか、私には よく分からない
 であるが、これらが 特に 今のような場合に、立法府の同意なく 反故・改変
 することが、法的に許容されるものなのかどうか? 行政府の裁量権の範囲
 なのかどうか? 
 
  そして、 今問題としている 文部科学省通知」 
 の法的な位置づけは どうなのか?
 
   法律に詳しい方に、ぜひ 教えて頂きたいと思います。
 
 

 
  再び、
  今回の調査で得られた線量率は半減期の短い放射性ヨウ素の寄与が大きい
  こと・・・
 
   資料⑩ に添付された 4月14日実施の「福島県内の学校再調査の結果一覧
  において、半減期8日の ヨウ素131の土壌汚染は 1000~6000㏃/㎏にも
  上り、これが、空間線量率に大きく寄与していると認めています。
 
   それにもかかわらず、子供らの被曝を少なくすべく、暫定的(数か月)にでも  彼らを この被曝環境から離すのではなく、4月からの学校再開を促す通知
  を、福島県教育委員会 及び福島県知事に、文科省は発出したのでした! 
 
  放射性ヨウ素の被曝下で、それが減衰するにまかせて、子供らを学校・園に
  通わせ、初期被曝の回避に対して 積極的な対策を取らなかったのは、
  文科省県行政が、意図的に 子供らに 被曝を強要したということになり
  ます。
 
    彼らは、子供を始め 住民らに犠牲を強いるという、自分らにとって
  一番 安易な道を選択してしまったのでした。しかし、この行政のあり方は、
  「 原子力災害の結果ではなく、これを起した原因ではなかったか?! 」 
  という問題まで認識されないと、事の根本解決とはならないはずです。