100Bq/kg と 8,000Bq/kg の 二つの基準の違いについて

https://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_100-8000.pdf

100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて
環境省廃棄物・リサイクル対策部
 
廃棄物に含まれる放射性セシウムについて、100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つ の基準の違いについて説明します。 ひとことで言えば、100Bq/kg は「廃棄物を安全に再利用できる基準」であり、 8,000Bq/kg は「廃棄物を安全に処理するための基準」です。
 
1.原子炉等規制法に基づく クリアランス基準について 廃棄物を安全に再利用できる基準です。 運転を終了した原子力発電所の解体等により発生するコンクリート、金属を 想定し、原子力発電所や一般社会での再利用を推進するために定めた基準です。
 廃棄物を再生利用した製品が、日常生活を営む場所などの一般社会で、様々 な方法(例えばコンクリートを建築資材、金属をベンチなどに再生利用)で使 われても安全な基準として、放射性セシウムについて 100Bq/kg 以下と定められ ています。
 
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第61条の2第4項に規定する精錬事 業者等における工場等において用いた資材その他の物に含まれる放射性物質放射能濃度に ついての確認等に関する規則第 2 条
 
2.放射性物質汚染対処特措法に基づく指定基準※(8,000Bq/kg)について 廃棄物を安全に処理するための基準です。 原子力発電所の事故に伴って環境に放出された放射性セシウムに汚染され た廃棄物について、一般的な処理方法(分別、焼却、埋立処分等)を想定し、 安全に処理するために定めた基準です。 8,000Bq/kg 以下の廃棄物は、従来と同様の方法により安全に焼却したり埋立処分したりすることができます。焼却施設や埋立処分場では 排ガス処理、 排水処理や覆土によって環境中に有害物質が拡散しないように管理が行われ ていることから、周辺住民の方にとって問題なく安全に処理することができ ます。 なお、8,000Bq/kg 以下の廃棄物を焼却した結果、焼却灰の放射能濃度が 8,000Bq/kg を超えた場合には、特別な処理が必要となります。広域処理によ り焼却する場合は、そのようなことがないよう、対象とする廃棄物の目安を 焼却炉の型式に応じて240Bq/kg以下又は480Bq/kg以下のものとしています。
 
 
※平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により 放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成 23 年 12 月 14 日環境省令第 33 号)第 14 条
 
(参考) 昨年 10 月に来日した IAEA のミッションの最終報告書では、「放射性セシウ ム 8,000Bq/kg 以下のものについて、追加的な措置なく管理型処分場で埋 立てを実施することについて、既存の国際的な方法論と完全に整合性がと れている。」と評価されています。なお、8,000Bq/kg を超える廃棄物につい ては、放射性物質汚染対処特措法に基づき、指定廃棄物として国が処理するこ ととなっていますが、同法に基づき新たに定められた処理基準に従うことより、 安全な処理が可能です。このことについても、IAEA の同報告書の中で、IAEA メンバー国の方法論と非常に整合性がとれていると評価されています。