ガラスバッジ(5)

文科省の4月19日付文書発出にいたる経過が 

にあるので、見ておきます。
 
 
 「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」に対する技術的助言
を検討する際の打合せに用いた資料は、以下のとおりである。  なお、学校に関しては、
4月9日以前にも文部科学省原子力災害対策支援本部から原子力安全委員会に対して助言の
要請依頼があり、4月6日、4月7日 及び 8日の3回にわたり 福島県内の小学校等の再開に
あたっての安全性についてに対する回答として助言を行ってきており、その中で
 「文部科学省として、福島県内の小学校等の再開にあたっての判断基準を示されたい
との回答を行ってきていたところであり、それらの助言については、
に掲載している。  
 
 
     ※ 4月6日付 文書 :文科省は 4月4日から測定を開始した福島県内小学校等の
      一部の直近の線量データを添付して、
        別添の小学校等を再開してよいか、助言いただきたく伺います。
      と、ヘンな日本語で 安全委員会に依頼しています。
      これに対して、安全委員会は
 
       1.20~30km圏内の屋内退避区域は、学校を再開するとしても、屋外活動は
        被曝を極力低いものとする観点からは、好ましくない。
       2.屋内退避以外の地域も、空間線量率の値が低くない地域においては被曝を極力
        低いものとする観点からは、学校を再開するかどうか 十分検討すべきと考える。
       3.現在も 事故は終息しているわけではないことから、引き続きモニタリングを継続
        しつつ、適切な対応をとっていくことが重要。
 
      と回答。
        別添の小学校等を再開してよいか、助言いただきたく伺います。
      さらに、
       「空間線量率の値が低くない」 の具体的な線量率について、
       併せて教示下さいますようお願いいたします。
      と、安全委員会に依頼します。
 
      この助言依頼に対して、翌日7日 安全委員会は、
       1.文科省として 福島県内の学校等再開の判断基準を示されたい。
       2.安全委員会は、示された基準に対して助言する。
       3.(先の)回答は、判断基準の策定にあたって参考になるものと考える
       4.なお、公衆被曝に関する線量限度は 1m㏜/年とされている。
      旨を回答しました。
 
        別添の小学校等を再開してよいか、助言いただきたく伺います。   
      と依頼します。
      この依頼に対し、安全委員会は 翌8日、先に回答したとおりです と、
      お互い 押し問答を繰り広げました。
 
       文科省は、線量に関係なく学校を再開したいために、その決定のお墨付きを
       安全委員会から得ようとし、安全委員会は SPEEDIの時のような、文科省からの
       責任の押し付けを回避すべく 頑張っていたわけです。 
       ――― どっちもどっちです。
      
 
 そして、やっと 
文科省は、所管の独立行政法人・放医研の助けで 「学校再開案」を作成し、
福山哲郎官房副長官に事前了承を得た後、安全委員会に「案」を提出します。
 
  ・平成23年4月9日(土)、文部科学省 及び放射線医学総合研究所放射線防護研究 センター
  の担当者より、原子力安全委員、緊急事態応急対策調査委員及び事務局に対して、
  福島県の学校等の校舎・校庭の利用判断の考え方について、  
 
しかし、安全委は 文科省の拙速さを諌めて、
 
  同日、原子力安全委員、緊急事態応急対策調査委員 及び 事務局とで打合せを行い、
  の文書を作成し、文部科学省原子力災害対策支援本部へ
 
   1. 線量の暫定的な目安について
     学校等における年間被ぱく線量の暫定的な目安として、ICRP2007年勧告を踏まえて
    「非常事態が収束後の一般公衆における参考レベルとして1~20mSv/年」を用いて、
    20m㏜/年を目安としています。しかし、この範囲の上限を使用することは限定的である
    べきであり、グランドの使用制限等被曝の低減化に努める必要があります。
   2. 内部被曝の考慮について
     線量の暫定的な目安の設定に当たって、瞥定的考え方案においては外部被曝は考慮
    されていますが、内部被曝は考慮されていません。学校等での生活を考慮する上で内部
    被曝の考慮は必須であり、線量の瞥定的な目安を考慮する上で、外部被曝のみで目安を
    設定する場合は、少なくとも2倍程度の安全率の考慮が必要です。
   3. 今後の対応
     今後、空間線量率、校舎及び校庭の汚染密度、空気中の放射性物質濃度の計測を
    継続して実施し、被曝線量の評価を行うとともに、必要があれば、瞥定的な目安を見直す
    必要があります。
 
 と送付しました。
 
  ・4月10日(日)、文部科学省の担当者が来訪し、
  の資料を用いて原子力安全委員及び事務局と打合せを行った。
 
  (「修正案」抜粋)
   Ⅰ[ ・・・ 学校等の敷地(校庭・園庭)において 3.8μ㏜/時聞を示した場合においても
    校舎内の滞在には被曝軽減効果が期待できることから、学校等での生活により年間の
    被曝線置を 20mSv以下とすることが可能である。さらに ]
    内部被曝の寄与が外部被曝と同様にあると安全側に仮定すると 20m㏜/年に
     到達する空間線量率は1.9μ㏜/時間となる。
    [参考レベルの考え方に沿って、生活指導により、合理的に達成できる範囲で一層の被曝
    低減を図ることが可能である・・・]
               [ ]内は 最初の案、 太字が 修正案で加えられた文               
      また、修正案 Ⅱ.では、原災法により
     避難区域・計画的避難区域・緊急時避難準備区域学校等の校舎・校庭の利用
     は行わない旨を加筆し、
   さらに、文科省が自ら出した3.0μ㏜/h と 安全委が提起した1.9μ㏜/hの取り扱い
     について苦労した冗長な文面になっています。 まとめてみると、
       (1)3.0μ㏜/h以上・・・校庭・園庭の使用は 1時間を使用上限
       (2)3.0μ㏜/h ~1.9μ㏜/h・・・校舎・園舎 および校庭・園庭、使用可
        以上、(1)(2)は、生活上の配慮、及び 今後3~4か月のモニタリンクが必要
       (3)1.9μ㏜/h未満・・・無制限に使用可。゙
   と、原案の考え方は 基本的に変わっていません。     
 
 そして、これに対する安全委の助言は、
 
     「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方」
    (以下「暫定的考え方」という)については、差し支えありません。
     なお、暫定的考え方」の中のⅡ(1) 及び(2)については、屋内及び屋外のモニタリング
    を確実に実施してください。
     また、Ⅱ(1)については、各校に1台 ポケット線量計を配布し、生徒の行動を代表する
    ような教職員に着用させ被曝状況を確認してください。
 
 と、文科省に押し切られ(?)て 腰砕けなものでした。 
 
   その後、その時点での検討状況を整理した資料
   を用いて、原子力安全委員と事務局とで打合せを行った。
     (メモ)
    ・現時点(4/10 18:00)で、伊藤危機管理官、福山副官房長官、枝野官房長官まで説明済み
    ・総理への説明要否について、福山官房長官が検討することとなっており、
     現在指示待ちの状態。
    ・文科省としては、明日の朝総理レクとなる可能性が高いと想定している
     (原則、文科省から説明)。
    ・本件は、避難区域等の変更を前提としており、避難区域等の変更に関する発表
     の後に発表することを想定している。=まだ対外的に発表できない。
    ・本件は、原子力災害対策本部からの助言要請に対する原安委からの助言と位置付けて
     おり、事務手続きについては、原対本部の総括班と相談しておく (食物摂取については、
     全て口頭による助言としていることを 当方より情報提供)。
 
  ・4月11日(月)、文部科学省から得られた情報を整理した資料
   の資料を用いて、原子力安全委員 及び 事務局とで打合せを行った。
 
 ところが、
安全委は 文科省の再修正案(資料⑥)に、 
       なぜ、1~20m㏜かを分かりやすく書き込む   
       3.0μ㏜/h ⇒ 3.8μ㏜/h
      Ⅱ(2)・・・ 積算線量をモニタリングする
と、3カ所 訂正を施します
 
     (メモ) 
     ・総理への説明要否は、福山官房副長官から説明することとなった (事務方は同席しない)。
     ・このため、本日の午後、文部科学省から福山官房副長官に レクの予定
      (原則、文科省から説明)。 ⇒ この後に 総理レク。
     ・本件は、法律に基づかない助言として 整理する方向で調整中
          ↑ 
    政治家は 官僚の掌に乗せられて動いており、 
    官僚は 黒子に徹して、政治家を操っているところを見て下さい。
    また、学校再開は、安全委員会にとって、いかに責任を取りたくない問題であったか
    ということも・・・。 
 
 
  ・4月12日(火)、文部科学省の担当者及び、放射線医学総合研究所放射線防護研究センター
   の担当者が来訪し、
   の資料を用いて原子力安全委員及び事務局と打合せを行った。
 
 
 これ(資料⑦)をみると、この件で 動いていたのは、
 
  文科省・災害対策本部(多賀谷、中山、根橋)。 安全委・管理環境課(都築・栗原・門倉)。
 
 そして、これは、
 4月5,6日の各学校等の
   空間線量率(地上1m、地表
   土壌放射能I-131、Cs-134、137
   大気中放射能濃度(㏃/m3
   地上1mと地表(1cm)の空間線量率の相関
   地上1mの空間線量率と土壌放射能(I-131 及び放射性Cs)の相関
   土壌放射能(I-131)と大気中放射能濃度(I-131)の相関
   土壌放射能(I-131)と土壌放射能(.放射性Cs)の相関
                                         (以上 0:53送信)